リーマンショックによる経済危機は、企業における情報通信システムの構造変革を急加速する要因ともなっています。企業財務体質の強化、情報セキュリティー対策など企業における統治・運用施策実現のためのコンポーネントとして、データセンターの利用が急速に進展しています。また、データセンターを利用したクラウドコンピューティングの推進は、地球温暖化ガス排出量の削減や企業事業所における電力消費量の大幅な削減に寄与することも認識されなければなりません。データセンタービジネスは、ブロードバンドインターネット環境の存在を前提としており、したがって、データセンタービジネスのさらなる発展と整備には、ブロードバンドインターネット環境の持続的発展と整備が必須のものとなります。
本セッションでは、データセンタービジネスの実態を把握し、その持続的発展に必要なインターネット基盤の要求条件と解決すべき課題の明確化を行います。
コーディネーター
江崎 浩
東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授
IPv6普及・高度化推進協議会 専務理事 /ISOC理事
1987年 | 九州大学 工学部電子工学科 修士課程了 同年 株式会社東芝 入社 総合研究所にてATMネットワーク制御技術の研究に従事。 |
1990年 | 米国ニュージャージ州 ベルコア社(2年間) |
1994年 | 米国ニューヨーク市 コロンビア大学 CTR(Centre for Telecommunications Research)にて客員研究員。 高速インターネットアーキテクチャの研究に従事。(2年間) 同年 ラベルスイッチ技術のもととなるセルスイッチルータ技術をIETFに提案し、その後、セルスイッチルータの研究・開発・マーケティングに従事。 IETFのMPLS分科会、IPv6分科会では、積極的に標準化活動に貢献している。 |
1998年 | 東京大学大型計算機センター助教授 |
2001年 | 東京大学 情報理工学系研究科 助教授 |
2005年 | 現職(東京大学 情報理工学系研究科 教授) WIDEプロジェクトボードメンバー。 MPLS-JAPAN代表、 IPv6普及・高度化推進協議会専務理事、 通信放送機構ジャパンギガビット ネットワーク運営委員。工学博士(東京大学)。 |
有本 一
株式会社エーピーシー・ジャパン ビジネス・デベロップメント ディレクター
<略歴>
黎明期のLANに関わるネットワーク・エンジニアを経験後、外資系コンピュータメーカにて、10年間マーケティング、営業、サービスなどを担当。
その後、システムインテグレータの経営に関わり、データセンターの仮想化プロジェクトなどに関与。
現在は、APC Japanにおいて、小型UPSからデータセンター関連製品までハードウェア、ソフトウェア全般を統括する。
手島 周正
株式会社NTTファシリティーズ データセンター環境構築本部 副本部長
<略歴>
1990年NTT入社、ノーザンテレコム社製交換機(DMS-10)の開発、相互接続に関わるシステム開発等を経て、 2000年~2002年に第1次ブームのデータセンター環境構築に携わる。2002年11月にシリコンバレーに米国事務所を設立、米国事務所長。
2007 年7月より現職にて、変革期にあるデータセンターの最前線で、省エネで高信頼なデータセンターのトータルソリューションをワンストップで提供している。
山中 敦
株式会社IDCフロンティア IDCフロンティア社長室戦略担当 担当課長
特定非営利活動法人日本データセンター協会運営委員
英国・ロイヤルカレッジオブサイエンス アソシエート
<略歴>
英国・インペリアルカレッジ物理学部卒
2000年より日本テレコム(株)(現ソフトバンクテレコム(株))を経て2006年よりソフトバンクIDC(株)(現(株)IDCフロンティア)、現在に至る。一貫してデータセンター事業に従事し主にデータセンターの企画/設計を手がける。