「有限の地球、高齢化する社会、爆発する知識」が21世紀の重要なパラダイムである。 これらの問題に対して日本に何ができるか考えてみたい。 日本のエネルギー消費は、家庭、オフィス、輸送の「日々のくらし」が55%、 素材、自動車、家電などの「ものづくり」が45%を占める。 日々のくらしには削減余地が大きい。これからは、ものづくりではなく、 日々のくらしでCO2を削減することが重要である。 また、日本は、温暖化のみならず多くの課題を抱えている。 これらを同時に解決するためのまちづくり運動を提案したい。 日本の国土は南北に長く、気候、生活、文化は多様である。 そこで、全国の自治体と協働でまちづくりの実験を行うのが「プラチナ構想ネットワーク」である。 プラチナとは次世代のキーワード、高齢者、生態系、低炭素の3つの輝きを表している。 エコでバリアフリーで快適なまちづくりが、日本の課題を解決し、 温暖化の解決や新産業の創出を通じて世界を先導し、日本を真の先進国とするのだ。
小宮山 宏
株式会社三菱総合研究所 理事長 / 東京大学 総長顧問
1944年12月15日生 | |
1967.3.28 | 東京大学工学部化学工学科卒業 |
1969.3.29 | 東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻修士課程修了 |
1972.3.29 | 東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻博士課程修了 工学博士 |
<専門>
化学システム工学、地球環境工学、知識の構造化
1988.7.1 | 東京大学工学部教授 |
1995.4.1 | 東京大学大学院工学系研究科教授 |
2000.4.1 | 東京大学大学院工学系研究科長・工学部長 |
2003.4.1 | 東京大学副学長 |
2004.4.1 | 国立大学法人東京大学理事 東京大学副学長兼務 |
2005.4.1 | 東京大学大学院工学系研究科教授兼務 国立大学法人東京大学総長 |
2009.4.1 | 国立大学法人東京大学総長顧問 |
2009.4.1 | 株式会社三菱総合研究所理事長 |
<著書>
「地球持続の技術」(岩波新書1999年)
「知識の構造化」(オープンナレッジ 2004年)
「東大のこと教えます」(プレジデント社 2007年)
「『課題先進国』日本」(中央公論新社、2007年)
「知識の構造化・講演」(オープンナレッジ 2007年)
「Vision 2050:Roadmap for a Sustainable Earth」(Springer 2008年)
ほか多数