K3 12月12日 10:00-10:45 |
IPv6の役割再考 |
今やIPv6は実用技術である。さらにIPv4アドレス枯渇問題によって、IPv6移行が現実的な課題となってきた。しかし、ユーザのIPv4環境への固着性は高く、大多数のユーザは未だIPv4環境に暮らしている。IPv6移行は遅々として進んでいない。 この状況は、あたかも1990年代の情報セキュリティへの認識、すなわち大多数のユーザの「確かに大切かもしれないが、それは今の自分の問題ではない」という認識に酷似しているとは言えないか。情報セキュリティの場合には、1990年代後半に情報システムが持つ社会的な役割が大きく変化したことがユーザに正しく認知されておらず、役割の過小評価が、ユーザが大多数が誤った認識を持つ原因となっていた。 この経験から類推すると、IPv6への移行が進まないのは、現在のインターネットあるいは情報通信基盤が持つ社会的役割がここ数年で大きく変化し、結果としてIPv4が機能的限界に達してしまったことに対する理解不足が原因となっているのではないか。IPv6移行を促進するためには、この理解不足を上手く解決することが必須である。そのためには、IPv6の役割を明確にし、社会に提示することが再度必要になるのだ。 |
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山口 英 ■ 学歴 ■ 職歴 ■ 活動 ■ 賞罰 |